Walking on the street-1
ボクが暮らしている国立のことを「街」というのか「町」というのか、何だかよく分からないが、ボクには「町」という印象が色濃い。
「街」には、人々が通り過ぎていく場所という印象があり、「町」には、そこに暮らしている人たちがいる場所という気がしている。もっとも、これはボク個人の感覚で、人口七万人の国立市を、ここの市長がどう呼びたいのかは知らない。だからボクにとって東京の中にも「街」があり「町」もある。人がその場所のことをどうおもっているのか、ボクには分からない。
先日、国立の町を歩いていると、赤提灯の顔馴染みの常連とバッタリ会った。彼は言った。
「どうした、浮かない顔して」
ボクは言った。
「今日もギャンブルですか。勝ったならオゴッて下さい」
彼は言った。
「俺と契約して、俺が負けたときにお前がオゴッてくれるなら、今夜オゴッてやっても良いぜ」
ボクはそれは良いかも知れないとおもったが、やめておいた。
「いや、やめておきましょう」
「お前はロマンティストじゃねえんだな。ギャンブルの楽しさが分からねえんだからよ」
ボクはギャンブルには全く気持ちが動かないから、ああ、だからボクは遊びがないのかも知れないなあとおもう。
ボクは国立から、谷保のエリアを歩いていた。ここを歩いていると、やたらに知り合いとすれ違う。ボクはそのたびにアイサツする。子供の友だちの親御さんと会う。
「ああ、このあいだはありがとうございました」
よく行くラーメン屋さんが出前のバイクを走らせている。
「またねえ」
ボクは甲州街道を越えようとおもっている。
六両編成の南武線が踏み切りを通過していく。
踏み切りの向こうにあるのは、知る人ぞ知るそばの名店「大黒屋」と、谷保天満宮である。
「街」には、人々が通り過ぎていく場所という印象があり、「町」には、そこに暮らしている人たちがいる場所という気がしている。もっとも、これはボク個人の感覚で、人口七万人の国立市を、ここの市長がどう呼びたいのかは知らない。だからボクにとって東京の中にも「街」があり「町」もある。人がその場所のことをどうおもっているのか、ボクには分からない。
先日、国立の町を歩いていると、赤提灯の顔馴染みの常連とバッタリ会った。彼は言った。
「どうした、浮かない顔して」
ボクは言った。
「今日もギャンブルですか。勝ったならオゴッて下さい」
彼は言った。
「俺と契約して、俺が負けたときにお前がオゴッてくれるなら、今夜オゴッてやっても良いぜ」
ボクはそれは良いかも知れないとおもったが、やめておいた。
「いや、やめておきましょう」
「お前はロマンティストじゃねえんだな。ギャンブルの楽しさが分からねえんだからよ」
ボクはギャンブルには全く気持ちが動かないから、ああ、だからボクは遊びがないのかも知れないなあとおもう。
ボクは国立から、谷保のエリアを歩いていた。ここを歩いていると、やたらに知り合いとすれ違う。ボクはそのたびにアイサツする。子供の友だちの親御さんと会う。
「ああ、このあいだはありがとうございました」
よく行くラーメン屋さんが出前のバイクを走らせている。
「またねえ」
ボクは甲州街道を越えようとおもっている。
六両編成の南武線が踏み切りを通過していく。
踏み切りの向こうにあるのは、知る人ぞ知るそばの名店「大黒屋」と、谷保天満宮である。
"Walking on the street-1" へのコメントを書く