中河原の梅花皮亭-2

梅花亭は、中河原の地でもう四十年も商いを続けてきたラーメン屋だという。だからボクのように町の中華そば屋しか知らない、店内にはラーメンを頼まずお酒ばかり飲んでいるような客がタムロしているその店に、ボクも出入りするようになった。

そういう、それまで縁のなかった町の小さな店で、ボクは大きな顔が出来るほど厚かましい質ではないので、その店のカウンターの隅に座って、お酒をチビチビといただく。そうするとその土地の人たち、つまりお客さんたちの話しを通じてその町のようすを伺い知り、面白いなあとおもう。どんな町にも、同じような笑いや、悩みや、悲しみがあって、結局どこに暮らしていても、そういう意味で変らないのである。

ボクは趣味は読書と食べ歩きだと豪語しているけれど、読書は別にして、実際に食べ歩きを敢行している訳ではない。もうそんなマネは出来ない。そんな振る袖はない。ただ根はそういうことが好きな性分なので、少々無理をしてもその町をさまよう。

ここ三年のあいだに縁が出来た茨城県守谷では、中国料理雪園の特製ラーメンが気に入って、その町に行くたびに出かけた。地元のその店をよく知る人たちによると、スープがぬるいだとか評判は今ひとつだけれども、そういうのを灯台下暗しというのであって、ボクはそれを良しとする。ボクたちも自分たちが生まれ育った町の名店を、良いとか悪いとかではなく絶対にいくつも見過ごしているはずだ。

総じてボクは、昔からその町にある店を好む傾向が強い。だから、その店のお父さんとお母さんが店を辞めてしまえば、その店は終わり、という訳だ。何故そういう店を好むのか今分析する気は毛頭ないが、若い連中が流行にのって大挙として押し寄せていく店にはない安堵感と、それと比例する緊張感が、実は一番ホッと出来る理由かも知れない。


中河原の梅花皮亭も、お父さんとお母さんがリタイアしたらそれで終わりだと、ボクは覚悟をしてその店に通っていた。ところが、そのお二人の息子さんが秋川で
「かいらぎてい」
というラーメン屋を始めたというニュースを昨年秋にきいた。その店名が平仮名なのは照れ隠しなのかどうなのかボクには分からないけれども、ともかく嬉しい。





桜井雄作と北爪清史と佐藤亮
「上川ラーメン四谷ピヤシリ」
https://www.youtube.com/watch?v=3oXZSi9WECE








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この記事へのコメント

ヤボ老人
2015年01月08日 18:40
あなたのオススメ店、先に「かいらぎ」に行ってみようと、調べたら・・・
http://blog.livedoor.jp/zatsu_ke/archives/51429072.html
ちょっと接客に問題ありなのか???親しいのであれば、父上に報告いただければありがたい。
桜井 雄作
2015年01月08日 23:08
いつもありがとうございます。
ボクは自分の目と耳と指と舌で感じたことしか分からないので、どんなことを言う人が他にいても仕方ないのです。
文蔵という店を、気のきかない店と決めつけて、二度と来なくなった人もたくさんいたそうです。飲食店に対するおもいなんて、そんなもんだとボクはおもっています。
だけど、気にかけていただいて、とても嬉しいです。

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