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zoom RSS Walking on the street-636

<<   作成日時 : 2016/11/22 16:54   >>

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もう何週間も前から、ボクはその駅のガード下にある赤提灯で一杯やっていこうと心に決めていた。モツ焼きとおでんと、そういう肴を出してくれる店である。そうしてボクは少し大袈裟にいえば、毎日何百円かずつのヘソクリをした小銭を持って、カミさんには
「残業なんだ」
とメールをしておいて出かけた訳だ。まあおもいつめていたという意味は、そういう点で大袈裟ではない。

ボクはその店の常連ではない。ここ何年かのあいだにたまたま二度三度出入りしただけの客である。路地裏の通りにテーブルと長椅子を並べ、店内にも十卓ほどのテーブル席を構えてその奥には大画面のテレビジョンが音もなく大相撲中継を流しているが、その放送に興味を持っているらしいのは焼き場でモツを焼いているお兄ちゃんくらいで、お客のほとんどの人たちはグラスのお酒を片手に銘々のお喋りに夢中である。それでボクはこの店のカシラとタンが大好きなのである(レバの味は、残念)。

それで酒場のことであるから、隣りの板で飲んでいる会社員風の人たちと話しをすることになる。
「どちらにお住まいなんですか」
と言うから
「まあ、この沿線です。皆さんもこの近所ですか」
と言ったら
「俺はこっち、後輩はあっち」
と言うので
「そうですか。良いですね、ご近所にこんな良い酒場があって」
と言ったら先輩らしき人物が急に目くじらを立て始めて
「アナタは安倍総理とプーチン大統領の会談結果をどうおもっているのですか」
と言うので、後輩らしき人物に
「よお、先輩はもう酔っ払ってるのかな」
と言ったら後輩は
「まあ黙ってきいてやってください」
と言うので、イヤだあとおもいながら後輩の方に杯を注ぎながら
「実はボクもアル中でね。病院通いしてるんだぜ。きみの先輩は大丈夫か」
と言ったらその後輩は驚いて
「えっ、そうなんですか」
というところからみて、彼の先輩もアル中に違いない。だからボクが
「先輩、ボクも同病ですよ。だからね、安心して下さい。北方領土も、読売巨人軍も、ニューヨーク・ヤンキースも大丈夫ですよ」
と言ったらその先輩はボクの胸ぐらをつかんで
「お前、俺のことを馬鹿にしてるだろ。世の中のことを馬鹿にしてるだろう。お前はそういう面構えをしている」
とか言いながら戦闘体制に入られたのでボクは後輩くんに
「よお、ボクは無抵抗だぜ。きみは国連よろしく仲介に立ってくれ」
と頼んでみたものの、後輩は役に立たず、知らない内にその店から姿を消していた。

今憶いだすと、ボクは若いときから大人たちからの殴られ役で、いつも生傷が絶えなかった。どうしてあんなに殴られたのか分からないけれども、例えば深夜の東小金井の改札外とか、よくやられたものだ。
「俺の女に手を出しやがって」
とかいうのではないのだけれど、よくコテンパンにやられた。
改札の階段の下には派出所があってお巡りさんが詰めていて、一度だけ
「大丈夫ですか」
と来てくれたけれど、それはボクを助けにきてくれたのではないことはすぐに分かったので
「大丈夫です」
と言ったら、お巡りさんはすぐに帰っていった。
「お仕事お仕事」



The Rain Song
「Jimmy Page &Robert Plant」
https://www.youtube.com/watch?v=BeDylD8dV7U&index=26&list=PLOtGXNcKLEUvTTYnnLwbWaeVW_sfnRoGL




















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